ICOI Korea(case1146-2008-07-08)より引用
タイトル: Hydrodynamic PISE
投稿者: ソン ドンソク(Dr. Sohn Dong-Seok)
サイナスリフトで解決すべき症例ですが...
患者さんは非常に良い方ですが、前歯部インプラントで苦労したことがあり、気の毒で残念な思いをした患者さんです。
痛くしないようにとだけ頼まれました。
上顎臼歯部の解決が目的です。コントロールできていない糖尿があり、傷跡もよく治りません。
24番は抜歯即時植立、上顎洞までの残存骨の高さは1~5 mm ...
ラテラルアプローチにしたかったのですが、患者さんの望みもありHydrodynamic PISEを利用することにしました。
25番部位を、Sohn 028iチップを利用して上顎洞底を穿孔させながら正確な上顎洞底までの高さを測定しました。
正確な高さは7mmで、約10~20秒程水圧で膜を挙上しました。
同じ方法で26番部位にもインプラントホールを形成しました。
チップを前後左右に軽く動かしながら水圧をかけ、上顎洞膜が全体的に上がるようにします。
鼻をつまんで息を吸い込むと、上顎洞膜が上がっていくのが鮮明に見えます。
骨移植材を入れる前に上顎膜がすでに挙上された状態になります(mirror image)。
Orthoblast IIを注入できますので骨移植も楽ですね。一度に沢山の骨移植材を入れられるので骨移植時間も短縮されます。
追加でOrthoblast IIとBio-ceraを混合して移植しました。
Sohn 028iチップを利用して骨移植材を入れました。数回繰り返して両側に約0.7ccを入れました。1cc程度が一番適合します。
充分に移植された骨が見えます(mirror image)。
インプラントを植立しました。
24番を抜歯するため、SB0610チップでスペースを確保しました。
即時インプラント植立。口蓋側寄りに植立するよう留意します。
インプラント表面の露出はありませんが、追加的骨移植(GBR)をしました。
Cytoplastで縫合しました。
13mm以上挙上されました。
水圧により高く挙上された膜が見えます。
25番部位で充分挙上されました。
26番部位でも充分挙上されました。
ラテラルアプローチが私の性格には合いますが、今回は歯槽頂から挙げました。
施術時間は約35分程度かかりました。